皆怒っている! ―岡山大学学長選考の信じられない結果―


11月21日(月)に岡山学長選考会議が開かれ、那須保友岡山大学理事が学長に選考されたことが発表されました。
この結果に対して、学内外から怒りの声が上がっています。


無視された意向調査の結果

 岡山大学の「公示」によれば、学内の講師以上の教官、課長以上の事務職等の有資格者による意向調査の投票では、金澤右前岡山大学病院長が341票、那須保友理事272票、舟橋弘晃理事148票でした。金澤候補が、那須候補に70票余りの差をつけて、首位であったにもかかわらず、その結果が無視されて那須候補が学長として選考されたのです。僅差ならともかくも、全投票数(761票)の約1割に当たる票差があり、また、金澤候補の得票数は全投票数の45%で、学内からは、圧倒的な指示を受けていることが明白でした。また、今回の調査では、学長適任者に〇をつけ、〇は複数可となっていました。仮に、複数〇をつけた割合が1割程度いるとすれば、投票者数は700名程度となり、約半数の投票者が金澤候補が学長として適任であるという意志を示したことになります。

 そのような結果であるにもかかわらず、選考会議の結果は学内の民意ともいえる意向調査の結果を無視したものであり、学内民主主義を冒涜するものと言えます。学内からは、この結果に対して怒りの声が上がるとともに、学外からも「岡山大学はどうなっているのだ?」という疑問の声が沸々と湧き上がっています。


那須候補が選考された理由に対する疑問

 「公示」では、選考理由を以下のように示しています。

「各候補適格者から提出された所信及び業績資料、公開ヒアリン グでのヒアリング結果及び意向調査結果を総合的に審査した結果、那須保友氏は、学長選考 基準に照らして、同基準に掲げる5つの資質と能力を十分有していると判断した。」

「那須保友氏の結果は2位であったけれども、同人は、大学経営において特に優れた 実績を上げており、「誇りと希望の学都」を掲げ、岡山大学を取り巻く様々な課題に不易流行の経営改革に取り組んでいくことが大いに期待できると判断した。」

 同基準に掲げる5つの資質とは、「国立大学法人岡山大学長適任者選考規則」の第2条の「学長適任者は,人格が高潔で,学識が優れ,教育研究に関し識見を有し,かつ,リーダーシップを発揮し責任を持って的確な大学運営を行うことができる者でなければならない。」を指すものと思われます。すでに本ホームページで示したきたように、那須理事は、人格が高潔からはかけ離れた人間で、裏で暗躍し、学内民主主義や研究の透明性を捻じ曲げることが得意な人物です。

 岡山大学病院長選考においては、槇野学長に忖度して、選考会議学内委員に対する不正な指示や委員長にあるまじき不適格な病院長候補推薦を行った事実、また、研究担当理事として、岡山大学病院の臨床研究に関する倫理指針不適合事案で、1年間に亘り隠蔽工作に加担してきたこと、昨年報道でも指摘された岡山大学医学部教授のデータ捏造による論文不正についても、調査委員会の委員長となりながら、いまだに報告や処分がなされておらず、「身内の」不正行為の隠蔽ならびに公開遅延策を図っていること、さらに、広島大学の「広島好きじゃけんコンソーシアム」への参加など・・・・ まさしく、このような人間に岡山大学の将来を託すなどありえない、決して学長にしてはいけないという人物です。

 学識が優れ,教育研究に関し識見を有し,かつ,リーダーシップを発揮し責任を持って的確な大学運営を行うことができる、についても、彼を近くで知る多くの人は、疑問符を投げかけるでしょう。

 例えば、岡山大学医学部は、全国でも有数の歴史を持つ医学部で、中四国医学界で最高峰ともいえる存在です。ほとんどの医学部教授は自身の専門とする領域の医学会では理事を務めます。那須候補が専門とする泌尿器学において、彼は日本泌尿器科学会の理事にも就任したことがなく、学会総会も主催したこともない、岡山大学医学部教授としてはある意味稀有な存在と言え、研究者・教育者としても、とても一流とはいえないことが露呈されています。

 「同人は、大学経営において特に優れた 実績を上げており」とありますが、那須候補は副病院長、副学長を通じて、「研究」担当であり、病院ならびに大学の経営に主体的に関わってきた事実はなく、噴飯ものの文章と言えます。

 ちなみに、「公示」の文章そのものも、知の府である国立大学が公表するものとしては恥ずべき拙劣さであり、学長選考の理由も全く不明であり、誰がどの程度吟味して書いたのか、問いたいものです。


金澤候補が選考されなかった不可解さ

  一方、金澤候補は、病院経営の実績もあり、学会活動においても十分な実績がありました。選考においては、唯一マニフェストを学内に示し、動画も配信し、非常に真摯な態度で選考に臨みました。公開ヒアリングのビデオを見ても、三名の候補者の中では、圧倒的にレベルが高く、岡山大学の将来を真剣に考えている姿が見えました。また、106名という多くの意向調査投票有資格者が金澤候補の推薦署名をし、それらの結果として、意向調査の投票では341票という絶大な支持を得ています。

 選考委員会議長の松田正巳山陽新聞社長は、選考後の会見で、「総合的に判断して那須氏を学長と決定した」と述べていますが、何が総合的なのかは具体的に示されず、金澤候補より那須候補の方が優れている理由は全く示されませんでした。不可解としか言いようがありません。


那須候補が選考された理由の本当の背景は?

 那須候補が選考された理由については、一言でいえば、「不明」としか言いようがありません。だからこそ、この結果の理不尽さに皆は怒り、疑問の声を上げています。

 多分、そこには、なんとしてでも那須候補を学長にしようとしたある恣意的力が潜んでいたことでしょう。また、なぜ、岡山大学の部外者である松田正巳山陽新聞社長が選考会議議長として会見に登場するのか?素直な疑問の声も上がっています。そもそも公正であるべき報道機関の長が、学長選考の決定に一番大きな影響を与える可能性のある議長でよいのか? そんな声もあがります。

 私たち「岡山大学を正常化する会」は、今回の選考には、国立大学学長選考にあるまじき「背景」があることを感じています。那須候補が、かねてから次期学長は自分であると公言してはばかりませんでした。それは、なぜでしょうか?今回の選考は、ひょっとして那須候補とその周囲による「茶番劇」だったのではないか?学内教職員や金澤候補、舟橋候補の真面目な気持ちを無視した、岡山大学の歴史に泥を塗る、恥ずべき選考だったのではないか?そうだとしたら、私たちは、断じて許すことはできません。

 私たちの当面のゴールは、2023年4月よりの岡山大学学長を那須理事にさせないことです。本ホームページでは、その真相を探り、現状の学長選考制度の問題を追及しながら、引き続き記事を掲載していく予定です。

「岡山大学を正常化する会」有志

岡山大学を正常化する会

このホームページでは、皆様に現在の岡山大学の諸問題を事実に基づいてお伝えし、岡山大学を「正常化」するためにはどうすればよいのかを一緒に考えたいと思います。

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